教室・技術紹介
日本大学 歯学部 薬理学講座
<教室概要>
1949年に新制大学の講座として開設され、現在5代教授として、小林真之教授のもと中枢神経系の研究をすすめています。2017年時点での構成員は日本大学歯学部の薬理学講座の所属する教員5名とポストドクトラルフェロー2名、大学院生2名に加えて、臨床講座に所属する大学院生8名で研究をすすめています。
<研究内容>
口腔ならびに顎顔面に生じる疾患のメカニズムを解明するための基礎的研究を行っています。特に痛覚、味覚、固有感覚など口腔顔面感覚の中枢での情報処理機構について明らかにし、モデル動物を用いて疾患メカニズムの解明に結び付けようと日々努力しています。
<実験手技>
脳スライス標本での多チャンネルパッチクランプ法(遺伝子改変ラットを用いて大脳皮質の各種抑制性ニューロンを同定した上で、多細胞から同時にホールセル記録を行いシナプス後電流を解析)、in vivoでの膜電位感受性色素を用いた光学計測法(感覚情報処理部位の空時間的な解析と薬物等がその情報処理に与える影響)、多チャンネルシングルユニット記録(同一ニューロンにおける覚醒時と全身麻酔下の神経活動記録)、2光子励起顕微鏡を用いたin vivoカルシウムイメージング(GCaMP6sを神経細胞に発現した遺伝子改変マウス、カルシウム指示薬を使ったラットのイメージング)、オプトジェネティクス等。
<連絡先>
准教授 藤田 智史 fujita.satoshiアットマークnihon-u.ac.jp
(URL)http://www2.dent.nihon-u.ac.jp/pharmacology/
日本大学 薬学部 薬理学研究室
<教室概要>
昭和30年(1955年)に設立された歴史ある研究室です。これまでに1000名以上の卒業生を輩出しています。現在、当研究室のメンバーは、教員3名(教授2名、准教授1名)、客員研究員1名、大学院生1名、学部学生の総勢約30名となっています。学部教育では第2学年から第6学年に渡る薬理学系の講義・実習を、大学院教育では病態科学特論Ⅰの一部を担当しています。
<研究内容>
アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患や脳梗塞の病態解明と治療薬の探索が現在の研究テーマです。遺伝子改変マウスや病態モデルマウスを用いた個体レベルでの検証から、培養細胞あるいはリコンビナントタンパク質を用いたin vitro系での研究を行っています。また、化学系の研究室との共同研究により、神経保護作用を持つ新規化合物やDDSの基剤となる物質の開発研究も行っています。
<実験手技>
培養細胞や動物個体・組織を扱う実験が中心です。各種の学習・記憶試験、運動機能試験、レーザードップラー法による脳血流測定、Multi-electrode arrayシステムによる電気生理学的解析、免疫染色、Laser Capture Microdissection法を用いた遺伝子・タンパク質解析の他、一般的な病理検査、分子生物学、生化学的な手法を用いて研究を行っています。また、共同研究により独自の化合物合成を行っています。
<連絡先>
准教授 小菅 康弘 kosuge.yasuhiroアットマークnihon-u.ac.jp
(URL)https://www.pha.nihon-u.ac.jp/academics/laboratory/oyo/pharmacol/
東京大学 大学院医学系研究科 細胞分子薬理学
<教室概要>
1885年(明治18年)に創設された医学部薬物学教室を源流とし、江橋節郎教授、遠藤實教授、飯野正光教授のもとで先駆的なカルシウムシグナル研究を行ってきた、伝統ある研究室です。現在は廣瀬謙造教授(兼務)のもと、中枢神経系におけるカルシウムシグナル動態と機能の解析を進めています。
<研究内容>
カルシウムシグナルはその多様な時空間的動態により、多様な細胞機能の制御に関与しています。当研究室では中枢神経系の神経細胞およびグリア細胞に焦点を置き、カルシウムおよび関連シグナル動態を生み出すメカニズムの解明と、カルシウムシグナルが担う生理および病態生理機能の解明を目指して研究に取り組んでいます。
<実験手技>
蛍光イメージング技術を基盤として、培養細胞から動物個体に至る幅広い対象を解析しています。特に脳組織での観察に二光子顕微鏡を活用しており、また目的に応じて各種蛍光顕微鏡やファイバーフォトメトリーを活用しています。独自の蛍光プローブ開発も特色の一つで、これまでにグルタミン酸、イノシトール三リン酸、小胞体内腔カルシウムなど、世界に先駆けた可視化解析も達成しています。蛍光プローブを発現するマウス系統の作製も行っています。
<連絡先>
講師 大久保 洋平 yoheioアットマークm.u-tokyo.ac.jp
(URL)http://calcium.cmp.m.u-tokyo.ac.jp