教室・技術紹介
国際医療福祉大学 薬学部 薬理学分野
<教室概要>
当分野は、2005年の本学薬学部の開設に続いて、2006年4月に武田弘志薬学部長の着任と共に発足しました。以来、「ストレス性精神疾患の病態解明と新規治療戦略の開発」をメインテーマに、行動薬理学的アプローチを中心に研究しています。また、分野内で国家試験対策の勉強会を開催するなどし、計6名のスタッフで研究・教育に励んでいます。現在、総勢55名の院生・卒論生と活動しています。
<研究内容>
元来、生体は、ストレスに抵抗して恒常性を維持するための生理機構を備えていますが、その減弱や破綻が様々なストレス性疾患の発症と密接に関係していると考えられています。当分野では「ストレス適応」および「ストレス抵抗性」をキーワードとし、「漢方」、「エピジェネティクス」、「翻訳後修飾」、「グリア」、「チャネル」、「胎生期」など、多角的な切り口から考究しています。
<実験手技>
行動薬理を得意としています。行動解析室には2つの防音室があり、特に、自動ホールボード試験、高架式十字迷路試験、恐怖条件付け試験、尾懸垂試験など、情動行動の評価系を多数設置してあります。また、運動、学習などの評価系も備えており、多角的な行動解析が可能です。さらに、分子生物学的、生化学的、免疫組織学的なアプローチを行っております。
<連絡先>
講師 宮川 和也 miyagawaアットマークiuhw.ac.jp
公益財団法人 東京都医学総合研究所 精神行動医学研究分野 依存性薬物プロジェクト
<教室概要>
本プロジェクトでは、依存性薬物の有害性として依存症、有用性として鎮痛および発達障害に着目し、その作用機序の解明を通して3つのサブテーマ(依存症、鎮痛、発達障害)の研究を進めています。医師、歯科医師、薬剤師、看護師など様々な資格を有する専門家や、研修生(連携大学院の学生さん)を加えて、20名以上の研究員が所属しています。
<研究内容>
依存性薬物の作用機序において重要な分子は、依存症、疼痛、発達障害の病態および治療のメカニズムにおいて共通して関わっています。これらの分野横断的な研究課題に対して、分子レベル、動物レベル、ヒトレベル、社会還元レベルのそれぞれにおいて、共通あるいは類似の手法を用いて研究を進めています。
<実験手技>
動物個体を扱う実験やヒトゲノム解析を得意とします。種々の遺伝子改変動物ならびに規制薬物などを用いた行動薬理学的解析として、依存性試験(条件付け場所嗜好性(CPP)試験、脳内自己刺激(ICSS)試験)、疼痛・鎮痛評価、不安・うつ様行動評価、社会性行動評価、統合失調症様行動評価、発達障害評価、in vivo マイクロダイアリシスによるモノアミン遊離解析、また、ヒトゲノムを用いたGWAS解析や、ヒトを対象とした臨床研究を行っています。
<連絡先>
主席研究員 井手 聡一郎 ide-siアットマークigakuken.or.jp
(URL)http://www.igakuken.or.jp/abuse/